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モバイルLinuxがどこにでもある新時代 モバイルLinuxに関する業界展望
概要過去5年間に、Linuxはインテリジェントデバイス用プラットフォームとしての脇役的な位置付けから、 組み込み設計に広く利用される支配的な存在にまでなりました。オープンソースオペレーティングシステムの進出は、 通信から家庭用電化製品、車載アプリケーション、産業用制御システム、さらには航空宇宙および防衛分野まで、 組み込みアプリケーション全般に及んでいます。現在では、あらゆるタイプのデバイスが組み込みLinuxの導入から恩恵を受けています。 しかし、そうした急速な進出の牽引役を担っているのは、ネットワークに接続して音声、データ、ナビゲーション、 およびエンタテイメントコンテンツを提供するデバイスである「サービスデリバリビークル」です。 採用のトレンド ![]()
モバイルアプリケーションにLinuxが選択される理由5年前に組み込みシステム開発者がLinuxで開発を始めた当時、彼らの動機は不明瞭で、疑わしいところさえありました。 Linuxの占有領域はレガシーRTOS(リアルタイムOS)よりも1桁大きく、その応答は段違いに低速でした。 そのプラットフォームには初歩的なツールしか用意されておらず、その使用をサポートしているサプライヤはまったくではないにしても、 ほとんどありませんでした。実は、組み込みシステムへのLinuxの使用は、その特性のためではなく、むしろ特性に反して行われることが多かったのです。 今日では、Linuxベースのシステムを構築し、導入するためのテクノロジーは組み込みシステムの開発のニーズにより適合していますが、 組み込みシステムの要件も変化していることを理解することが重要です。過去の設計が通常、スタンドアロンで、リソースに制約があり、 またハードウェア中心であったとすれば、今日のLinuxを導入するアプリケーションは、高度に結合され、リソースが豊富であり、 またソフトウェアコンテンツとその付加価値によって特徴付けることができます。こうした移行の原動力は、あまねく普及したIPネットワーキング、 DRAMとフラッシュメモリのメガバイトあたり価格の低下と容量の急速な増大、32ビットおよび64ビットCPUの圧倒的な普及、 平均的なデバイスにおけるアプリケーションコード行数の年々の倍増といった要因です。したがって、 Linuxが組み込みシステムの要件に適応して発展する一方で、同時にそれらの要件の方も、LinuxとエンタープライズOSの特性に応じて「成長」しています。 開発者の動機 メーカー側の原理 こうした課題に対処するため、IBM、Philips、Sonyといったさまざまな企業がLinuxとオープンソースに目を向け、 異種のハードウェア、ソフトウェア、エンジニアリング、マーケティング、および製造を統合しています。 Linuxは対応範囲が広いため、エンジニアリングのフラグメンテーションが緩和され、 分岐した製品ラインや業務プロセスからくるダウンストリームコストが削減されます。購入コストと部品表(BOM)の影響を軽減することによって、 OEM企業の収支はさらに改善します。それは、サービスサブスクリプションの全期間を通じてしかコストを回収できない モバイル/ワイヤレスのようなビジネスでは特に顕著です。 採用への障壁の克服インテリジェントデバイスでLinuxの採用が全体として急増しているにもかかわらず、 重要な障壁が、特に主要な垂直市場とアプリケーションで残っています。モバイル/ワイヤレス市場では、 Motorola、NEC、Panasonicといった企業が、この分野の相当な専門技術を活用し、Linuxとその他のFOSS(Free and Open Source Software) コンポーネントを使用してハイエンド電話機を構築できることを実証しています。 しかし、これらのメーカーやこの市場に参入したばかりのその他の企業は、モバイルハンドセットでLinuxを使用するために、 より最適化されたモバイルプラットフォームとより合理化された開発プロセスを必要としています。 また、専用のGPRSまたはEVDOインターフェイスやその他の高価なサポートチップを持たないミドルクラスおよびローエンドのデバイスで Linuxを導入することも望んでいます。 そのために、OSDL Mobile Linux Initiative(MLI)、Consumer Electronics Linux Forum(CELF)、Linux Phone Standards(LiPS)Forum といった業界コンソーシアムが設立され、LinuxとFOSSのエコシステムに存在する格差を特定して穴埋めし、 モバイルフォンやその他のワイヤレスクライアントでの採用を促進しようとしています。 特に、Motorola、ACCESS、Siemensといった企業が参加するOSDL MLIは、次の重点分野を挙げています。 技術的課題
経済上、運搬上、および規制上の障壁 法律上および規制上の問題 プラットフォームの整合 機能のメインストリーム化 普及に向けて上記のような障壁が存在するなかで、Linuxフォンの構築と導入、通信事業者とモバイル事業者へのマーケティング、 およびエンドユーザへの普及を容易にするために、Linuxおよびモバイル業界はどのようなステップをとるべきでしょうか。 プラットフォームの事前統合 事前統合は、OEM企業にとって次のように明らかな利点があります。
事前統合されたモバイルソフトウェアスタックの定義 OEM企業は、Goldilocks*のような状況に陥ることがあります。 一方には不十分な(カーネルとハードウェアサポートしかない)スタックがあります。 そのようなシステムレベルの最小限のプラットフォームでは、ミドルウェア、アプリケーション、 および統合についてはOEM企業が負担することになります。他方には過大な (「完全」だが差別化したり価値を付加したりする余地または手段のない)スタックがあります。 そのまま使える現用の電話機設計は、製造でしか価値を付加できないODMには最適かもしれません。 しかし、ブランド電話機のOEM企業やその顧客は、ブランド設定、サービス提供、 およびネットワーク相互運用性の詳細に合わせてアプリケーションとミドルウェアを調整する必要があります。 実際には、1つですべてに対処することはできません。「ジャストライト(ちょうどよい)」スタック構成を見極めるには、 次の表を参考にします。
* 米国の童話『Goldilocks and the Three Bears』による例え。 童話では、金髪の少女が熊のすみかに入り込んで、豊富な食料の中からちょうどよい食料を選択する困難に直面する。 「ジャストライト」は、OEM企業が持っている技術、および既成技術の購入と自社開発のどちらを
選択するかについてのOEM企業の傾向によって異なります。より一般的に言うと、
モバイルフォンスタックまたはソリューションの評価では、スタックサプライヤとOEM企業の双方による投資、
特に、彼らが基盤ハードウェアとオープンソースコミュニティのコードに価値を付加する方法を考慮に入れます。
トールスタック ショートスタック
どちらの場合も、システムソフトウェアテクノロジーはバリューライン以下に位置するため、 OEM企業は最低でもコモディティにプレミアムを支払い、最悪の場合、 オープンソースインフラストラクチャの「税」を支払う羽目になります。 いずれにしても、ショートスタックの場合は、デバイスドライバやその他のハードウェアサポートが豊富であったとしても、 アプリケーション特有のエンジニアリングの大半がOEM企業に課せられます。 ジャストライトスタック どのスタックも(ショート、トール、ジャストライトのいずれも)単独では成立しないことに注意することが重要です。 モバイルソリューションは、OEM企業の社内リソースだけでなく、 モバイルソフトウェアサプライヤやモバイルテレフォニーを扱うFOSSプロジェクトからなる新しいエコシステムへの関与を通じて完成されます。 格差の緩和
ACCESS、Mizi、MontaVista Software、Trolltech、Wind Riverといったベンダーは、 コミュニティの一連のリソースやイニシアチブの助けを借りながら、自社のリソースを投入してこれらの格差を縮めようとしています。 2005年10月、OSDLは4つめの最新のワーキンググループであるMLIを立ち上げました。 MLIには、チップセットメーカーからLinuxディストリビューションおよびプラットフォームサプライヤ、 ミドルウェアISV、ハンドセットメーカー、インテグレータ、通信事業者やモバイル事業者まで、 モバイルテレフォニーエコシステムのあらゆるレベルからメンバーが参加しています。 OSDL MLIの使命
MLIは、APIを公表したり、支持されずに終わるような規格を提案したりするだけでなく、 ソリューションを生み出すことに力を注いでいます。 そのために、MLIのメンバーは現在、リソースを整えて、ハンドセットOEM企業、通信事業者、 およびモバイル事業者のニーズを満たす独特の実装を準備し、既存のオープンソースプロジェクトの進歩を促進し、 またMLIの受益者とコミュニティ一般の利益のために、既存の社内テクノロジーを公開しようとしています。 OSDLとMLIの詳細については、www.osdl.orgをご覧ください。 コミュニティのリソース
結論この文書の目標は、モバイルテレフォニーにおけるLinuxの急速な成長について説明し、 その成長の背後にあるトレンドや動因を検討し、またモバイルLinuxに関心を持つ開発者やその他の人々に対して、 Linuxベースのモバイルハンドセットの構築と導入をめぐる課題に対処するための見方と手段を提供することです。 また、この文書は、開発者、その管理者、顧客、およびパートナーに対して、 Linuxプラットフォームソリューションやその他のリソースを評価する際の手引きと根拠を提供することを目的としています。 電話機メーカー、モバイルISV、通信事業者、モバイル事業者、およびサブスクライバの皆様に次のメッセージをお伝えします。 Linuxは、お近くの電話機にも間もなくやって来ます。あなたの製品ラインで、あなたのネットワークで、 またはあなたのポケットの中で、Linuxベースのモバイルフォンはモバイルワイヤレス業界を変革し、 価値を付加する新しい機会を提供します。電話に出てください。タックス(Linuxのマスコット)があなたを呼んでいます。 Copyright(c) 2006, ACCESS Co., Ltd, and PalmSource, Inc. ACCESSは、日本およびその他の国におけるACCESS Co., Ltd.の商標または登録商標です。PalmSourceとその他の一部の商号、商標、およびロゴは、米国、フランス、ドイツ、日本、英国、およびその他の国で登録されている商標であり、PalmSource, Inc.またはその関連会社によって所有されているか、Palm Trademark Holding Company, LLCからPalmSource, Inc.によってライセンス供与されている商標です。これらのマークは、PalmSource, Inc.に属さない製品またはサービスとともに使用することはできません(ただし、PalmSource, Inc.のライセンスによって明確に許可されている場合を除きます)。これには、お客様を混乱させる可能性があるあらゆる方法、またはPalmSource, Inc.、そのライセンサー、子会社や関連会社の名誉や信用を傷付けるあらゆる方法が含まれます。この文書で使用されているその他すべてのブランドおよび商標は、それぞれ所有する各社の商標であり、各社の他の製品またはサービスを特定するために使用されます。 |